Webライターは個人事業主になるべき？必要な手順やメリットを解説

Webライターになる際に、開業届を提出すれば個人事業主になれます。

個人事業主になると青色申告が可能になり、最大95万円の節税効果があります。

しかし、Webライターはフリーランスとして働くこともできるため、個人事業主になるかどうか悩む人も多いはずです。

そこで本記事では、Webライターが個人事業主になる手順やメリット・デメリットについて解説します。

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【結論】専業Webライターとして働くなら個人事業主になるべき！

Webライティングを収入の柱として働く専業Webライターとして活動するなら、個人事業主になるのがおすすめです。

理由は、個人事業主という「事業者」になることで、社会的信用や税金の面でメリットがあるからです。

もちろんフリーランスとして働くことも可能ですが、個人事業主とフリーランスには細かい違いがあり、同じメリットがあるとは限りません。

以下では、フリーランスと個人事業主の違いを解説します。

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスとは、会社に雇われずに自由に仕事をする働き方を指します。

一方で個人事業主とは、税務署に開業届を提出し、正式に事業を行う人のことです。

つまり、フリーランスは「働き方のスタイル」で、個人事業主は「法律上の立場」を表しています。

例えば、開業届を出していないフリーランスの収入は「雑所得」で計上されますが、個人事業主の場合は「事業所得」になります。

働き方だけでみれば、フリーランスと個人事業主の違いはありませんが、開業届を出しているかどうかで法律上では明確に分けられます。

フリーランスのWebライターについては、こちらの記事もチェックしてみてください。

Webライターが開業届を出して個人事業主になるまでの手順

Webライターが個人事業主になるには、以下の手順が必要です。

それぞれの手順を詳しく解説します。

ステップ1：必要書類を準備・作成する

個人事業主になるのに必要な開業届は、税務署でもらうか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

記載項目は以下の通りです。

屋号は名刺や請求書に記載できますが、開業届を作成する時点では書く必要がありません。

ダウンロードした場合、項目が設定されているため、そこに入力するだけで作成できます。

また、必要に応じて青色申告承認申請書や、補助金・助成金の申請書も準備しましょう。

ステップ2：税務署に提出する

開業届を作成したら、税務署へ提出します。

提出方法は以下の3つです。

おすすめは、オンラインで完結できるe-Taxで、24時間いつでも提出可能です。

提出時には本人確認書類・マイナンバー・青色申告承認申請書が必要になるため、用意しておきましょう。

提出が完了したら控えを必ず保管してください。

控えは、あとから事業用口座の開設やクライアント契約をする際に必要になる場合があります。

ステップ3：開業後にやるべきことリスト

開業届を出したあとは、以下の手続きを行いましょう。

銀行口座は事業用とプライベートを分けておくことで、経費の管理が楽になります。 

また、会計ソフトを導入して帳簿をつけると、確定申告がスムーズに行えます。

開業届を提出した段階で屋号がない場合は、このステップで決め、名刺や請求書に反映させましょう。

これらの準備を済ませれば、個人事業主としての仕事をスタートできます。

Webライターが個人事業主になる4つのメリット

個人事業主になることで、フリーランスにはない4つのメリットがあります。

それぞれのメリットについてみていきましょう。

確定申告で青色申告ができるようになる

個人事業主になると、確定申告で青色申告を選択できます。

個人事業主のWebライターの場合、基本的には年間所得が58万円を超えると確定申告が必要になります。

ただし、所得金額によって基礎控除の金額が変わるため、必ず自分の所得と基礎控除額の条件を確認しましょう。

参考記事：https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm

青色申告と白色申告の違いは以下の通りです。

項目	青色申告	白色申告
帳簿	複式簿記	簡易簿記
控除額	最大95万円	控除なし
必要書類	開業届と青色申告承認申請書	開業届のみ
赤字の繰越	最大3年間可能	不可

青色申告を行うことで納める税金が減り、手元に残るお金を増やすことが可能です。

青色申告は少し手間がかかるものの、節税効果が大きいため、個人事業主になる最大のメリットといえます。

Webライターの確定申告の方法については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

屋号を取得できる

個人事業主になると、屋号を取得できます。

屋号とは事業の名前であり、名刺や請求書、契約書などに記載できるものです。

屋号を設定しておくと、クライアントから事業者として認識されるため、社会的信用が高まります。

また、仕事をしていく中で法人企業との取引が増えると、屋号があるかないかで案件の採用率が変わることもあります。

屋号は自由に決められるので、Webライターとしての事業内容やブランディングに合った名称を考えてください。

小規模企業共済に加入できる

個人事業主になると加入できる小規模企業共済とは、フリーランスや個人事業主向けの退職金制度で、掛け金に応じて受け取れます。

毎月1,000円から70,000円まで自由に設定でき、所得控除として全額申告できるため、節税効果は非常に高いです。

例えば月3万円を1年間積み立てた場合、3万円×12ヶ月＝36万円がそのまま所得控除の対象になります。

また、個人事業から撤退したときに共済金を受け取ることもでき、一括・分割・併用から選択可能です。

小規模企業共済は民間の積立保険よりも手数料が低いため、収入が不安定になりやすい個人事業主でも長期的に利用できるでしょう。

事業用の銀行口座・クレジットカードを保有できる

個人事業主は、事業専用の銀行口座やクレジットカードを作成できるようになり、経理や確定申告が大幅に効率化されます。

Webライティングに使うパソコンやソフトの購入費などを事業用のクレジットカードで支払えば、経費としてまとめて管理できます。

銀行口座に関しても、屋号付きの名義で開設できるため、請求書作成の際も信頼を得やすくなるでしょう。

Webライターが個人事業主になる3つのデメリット

個人事業主になるメリットは大きいですが、デメリットもあります。

具体的には、以下の3つです。

それぞれのデメリットについて解説します。

収入が少なくても確定申告の義務が発生する

会社員であれば年末調整で税金が処理されますが、個人事業主は自分で所得税を計算し、申告・納税する必要があります。

基本的には、個人事業主は年間の所得が基礎控除額より少なければ、確定申告の義務はありません。

しかし、ほとんどの個人事業主Webライターは、1年間で基礎控除を上回る所得を得ているため、確定申告は行うものとして準備しておくのが安心です。

確定申告を怠ると、延滞税や無申告加算税が課されるので気をつけましょう。

厚生年金保険に加入できなくなる

会社員が加入する厚生年金保険に、個人事業主は加入できません。

その代わりに国民年金へ加入し、保険料を支払う必要があります。

厚生年金と比べると、国民年金で将来受け取れる金額は少ないため、長期的にみれば老後の資金面で不安が残るでしょう。

個人事業主の場合、小規模企業共済を活用できますが、社会保険制度のサポートが薄くなる点はデメリットといえます。

開業によって心理的プレッシャーを感じやすくなる

開業届を出すと事業者という肩書を得るため、心理的なプレッシャーを感じる人も少なくないでしょう。

特に独立した直後は、案件が獲得しにくい状況にあるため、不安を抱えやすい傾向があります。

また、会社員のように上司や同僚がいないため、孤独を感じやすい点も注意が必要です。

すべての判断を自分で下さなければならず、責任の重さにストレスを感じることもあります。 

こうしたプレッシャーもあるため、個人事業主として成功するには、スキルだけでなくメンタルの安定も大切です。

専業Webライターに向いている人の特徴

個人事業主になる場合、Webライターに専業で取り組むことになります。

そのため、専業のWebライターに向いている人であれば、個人事業主になりましょう。

専業Webライターに向いている人の特徴は、以下の5つです。

個人事業主になろうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

自己管理ができる

専業Webライターに求められるのは、自己管理能力です。

個人事業主になると、働く時間を自由に決められる分、勤務時間や休憩時間を自分で決めなければいけません。

そのため、時間の使い方を間違えると、納期に遅れたり生活リズムが安定しなかったりします。

とはいえ自己管理は難しいため、スケジュール・タスク管理ができるアプリを活用し、毎日の仕事や納期を可視化しておくのがおすすめです。

自己管理ができる人は、仕事の品質を安定させられるため、クライアントからの信頼も得やすく、リピート案件につなげやすくなります。

Webライターにおすすめのアプリについては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。

学習意欲が高い

Webの世界は検索エンジンのアルゴリズムやトレンドによって、情報が日々更新されています。

そのため、常に最新情報を学び、時代に合わせたスキルを身につけられる人ほど、長くWebライターとして活躍できます。

SEOの知識や文章力、AIの活用など、Webライターに必要な知識やスキルは意外に幅広いです。

Webライティングに対して意欲的に学習できる人は、専業で働いても収入を安定させられるでしょう。

SEOライティングについてはこちらの記事でも紹介しています。

コツコツ継続して案件に取り組める

Webライティングでは一度で大きな成果を上げるよりも、コツコツ実績を積み重ねるのが基本です。

また、個人事業主として活動する場合は、安定的に収入を得るには、案件を途切れさせないことが大切です。

特に初心者のうちは文字単価・記事単価も低いため、継続的に取り組まなければ成果は得られません。

そのため、単純な執筆スピードよりも、情報の正確さと文章の読みやすさを重視し、クライアントからの信頼を積み上げましょう。

専業のWebライターとして働くなら、コツコツ仕事に取り組む姿勢は必須です。

円滑にコミュニケーションが取れる

Webライターの仕事は一人で完結すると思われがちですが、実際には日常的にクライアントとのコミュニケーションが発生します。

メールやチャットでのやり取りが主流で、迅速な対応が求められます。

返答が遅れると、クライアントは不安に感じてしまうかもしれません。

「コミュニケーションが苦手だからWebライターとして一人で働こう」と考えている人にとっては、専業として働けるようになるまで険しい道のりとなるでしょう。

実績や専門性を発信できる

Webライターは、実績や専門性を積極的に発信する活動も重要です。

SNSや個人ブログで実績を公開することで、新しいクライアントに見つけてもらえる機会が増えます。

専門性のあるWebライターは単価が上がりやすく、長期契約につながるケースも多いです。

そのため、自分の強みを発信できる人ほど仕事の幅を広げられます。

Webライターが個人事業主になるときによくある質問

以下では、Webライターが個人事業主になる際によくある質問に回答しています。

ぜひ参考にしてください。

開業届の提出期限はありますか？

開業届は、原則として事業を始めた日から1ヶ月以内に提出します。

最初の仕事を受注した日や報酬が発生した日を、開業日として記入してください。

また、開業届と一緒に提出する青色申告承認申請書は、開業日から2ヶ月以内に提出しないとその年の青色申告が認められない可能性があります。

開業届は1ヶ月の期限を超えても提出できますが、青色申告承認申請書とあわせてできるだけ早めに提出しておくのが理想です。

開業届に屋号を書くのは必須ですか？

結論からいうと、開業届を提出する際に屋号の記入は必須ではなく、空欄のままでも提出できます。

ただし、屋号を持っていると名刺や請求書に記載できるため、クライアントからの信頼度が高まります。

もし開業届を提出する際に屋号を決められなくても、あとから変更・追加可能です。

Webライターとしての活動の方向性が変わったときや、ブランド名を統一したいときにも柔軟に対応できます。

無理に最初から決める必要はありませんが、専業で働くなら、屋号を設定しておくことをおすすめします。

開業届を出したあとに副業扱いにできますか？

開業届を提出したあとでも、副業として活動できます。

開業届を出した＝専業になるわけではなく、会社員を続けながら、個人事業主としてWebライターの仕事を行うケースは多くあります。

ただし、副業を始める前には必ず会社の就業規則を確認し、上司や人事に相談しておきましょう。

副業として開業した場合、Webライターの仕事の所得が20万円を超えると、確定申告が必要になります。

まとめ｜Webライターを本格的に目指すなら、開業届を出して個人事業主になるのがおすすめ！

Webライターとして安定したキャリアを築きたいなら、開業届を出して個人事業主になり、正式な事業者としてクライアントと仕事をしましょう。

個人事業主になることで、青色申告による節税効果が得られるだけでなく、屋号によるブランディングなど、事業に取り組むうえでのメリットが得られます。

Webライターが個人事業主にならなければいけないという義務はありませんが、専業Webライターを目指すなら個人事業主になるのがおすすめです。

開業届の手続きは難しくないため、前向きに検討してみてください。

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